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ここまで差がつく 生きた税務を考える 税理士 平川忠雄

 
ERA 大家さん・地主さんのための情報誌『Owners』6月号より
 
消費税の会計処理について
 
私は不動産貸付業を営んでいますが、平成17年分より消費税の課税事業者になりました。平成16年分までは免税事業者であったため税込経理方式で会計処理を行なっていたのですが、課税事業者となった平成17年分からは税抜経理方式で会計処理を行なわなければならないのでしょうか?

税込経理方式と税抜経理方式
消費税の会計処理の方法として、次の2種類があります。
(1)税込経理方式:収入や支出の際に消費税に相当する金額を含めて処理
(2)税抜経理方式:収入や支出の際に消費税に相当する金額を含めないで区分して処理

例えば月10万円の家賃収入に別途消費税として5000円を収受している場合、税込経理方式では家賃収入を10万5000円として計上し、税抜経理方式では家賃収入を10万円、および仮受消費税5000円として計上することになります。税込経理方式と税抜経理方式の会計処理の概要は表のとおりです。

区分税込経理方式税抜経理方式
収入に係る
消費税の額
売上げ(収入)に含めて収益計上します。仮受消費税として処理します。
支出に係る
消費税の額
仕入(支出)金額または資産の所得価額に含めて計上します。仮払消費税として処理します。
納付税額租税公課として必要経費に算入します。仮受消費税と仮払消費税との差額が納付(還付)税額となり、損益に関係させません。
ただし簡易課税の適用などにより実際の納付(還付)税額との間に差額が生じる場合には、その差額を雑収入(または租税公課)とします。
還付税額雑収入として収入金額に算入します。

会計処理は選択することができる
いずれを選択するかは、事業者の任意とされています。したがってご質問の場合、平成17年分より課税事業者になるからといって税抜経理方式への変更を強制されるわけではありません。
税込経理方式を選択した場合、収入金額や必要経費に消費税の額が含まれるため、損益の額は消費税によって影響されますが、税抜計算の手間が省けます(ただし納付税額を必要経費として計上するので、原則として所得金額に影響はありません)。
税抜経理方式を選択した場合、収入や支出に係る消費税の額は仮受消費税や仮払消費税として処理されるため、収入金額や必要経費の金額は消費税の額によって影響されませんが、税抜計算の手間がかかります。
消費税全般について、くわしくは税理士におたずねください。

 


■ひらかわ・ただお
中央大学経済学部卒業。日本税理士連合会理事をはじめ各種委員を歴任。現在、政府税制調査会法人課税小委員会専門委員、中央大学経理研究所講師、日本税務会計学会副学会長を務める。また、税理士法人平川会計パートナーズ代表としてタックスコンサルティング業務のかたわら、公演・セミナー講師として活躍中。




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